世界の生協のはじまり

生協はじめて物語 〜ロッチデールの人々〜

1840年代イギリス

当時は産業革命のまっさい中。工場には機械が入り、働く人々は失業の恐怖と低賃金にあえいでいました。
イギリスのマンチェスター郊外の町ロッチデールは、織物の町。ここでも人々は苦しい生活を送っていました。

生協はじめて物語 1「どうせツケで買う連中だ。ゴマかしても大丈夫さ」
「また良くない品だけどツケで買っているから文句も言えないわ。」

悪徳商人たちはワラクズを混ぜたパンを売ったり、量目をごまかしたり、掛け売りをしているという優位的な立場を利用して商品を売りつけていました。


生協はじめて物語2「夜逃げしかない。借金暮らしはもういやだ」
「賃金をもらえばみんなすぐ飲んでしまう。だからお酒をやめればいいぞ」
「それだけじゃダメだ。選挙権を取る運動をしようじゃないか」

人々はあつまり、今の暮らしを変えるための話し合いをかさねました。


生協はじめて物語3「自分達で商店主になればごまかされないぞ」
「そうだ、工場主になれば失業の恐れもない」
「自分達の暮らしは自分達で守っていかなければ」


生協はじめて物語4「そのためにはまず資金が必要だ」
「みんなでお金を積み立てよう」
「週に2ペンスずつ積み立てていこう」


生協はじめて物語5労働者の賃金は低く、毎日の生活が精一杯。2ペンスずつの積み立ては大変だった。それでもツケでの買い物をやめる人も出てきた。

「自分達の店をもつためだ。家族で積み立てよう。俺は酒をやめよう。」
「私もやりくりがんばるわ」


生協はじめて物語6そして1年後、28人の仲間で資金は28ポンドになった。


生協はじめて物語71844年12月 自分達の店がオープン!
ロッチデールの街のトードレーンという所。倉庫の1階だけを借りて自分たちの店がオープン。


生協はじめて物語8「今は5品目しかないけど、毎日の生活に必要なものばかり。それのまぜもののない確かな品だよ。」
「自分達の店だから安心ね。もっと品数が増えるようにせっせと利用するわ」


こうして28人の人々の週2ペンスの積み立ては1年後に28ポンドになり、自分たちの店を開店したのです。これが生協のはじまりです。

現在、生協を含む協同組合はその信頼を築くなかで全世界に広がり、10億人以上の組合員になっています。 日本では3000万人の生協組合員が、「一人がみんなのために、みんなが一人のために」「よりよいくらしと平和のために」活動をすすめています。

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