食卓を取りまくこと

私たちの食卓を取りまくこと

毎日、何気なく食べている食べ物。
食品を取りまく問題は組合員にとって最も高い関心事です。
生協の取り組みの中からいろんなことが見えてきます。

私たちの食糧と食

日本の食糧自給率は先進国中最低の40%(2003年度カロリー換算)です。
生協コープかごしまでは、私たちが安心して食べるために「日本の農業と食糧を守ろう」と運動をすすめています。
主食である米をはじめ、大豆や野菜等の産地直結の活動とともに、コープ商品の原材料に県産品や国産品を使い、育てるための取り組みを生産者やメーカーの方々とすすめています。

我が国の食料自給率の推移主要先進国の供給熱量自給率の推移

「TPP」について、私たちはどうかんがえればいいの?

TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は、2006年にAPEC参加国であるニュージーランド、シンガポール、チリ、ブルネイの4ヵ国が発効させた、自由貿易を目指す経済的枠組みです。工業製品や農産品、金融サービスなどをはじめとする、加盟国間で取引される全品目について関税を原則的に100%撤廃しようというもの。2015年をめどに関税全廃を実現するべく協議が行われています。

自由貿易と関税

国と国との間で物を売り買いする際には、自分の国の産業や農業などを守るために、輸入する時に関税を科すことが多いのです。
例えば、安い商品が輸入されると、同じ商品を作っている自分の国の会社や農家が経営できなくなる可能性があります。そういう時に、輸入商品に関税をかけて、守ることをしています。

TPPってこんなこと

現在アメリカやオーストラリア、チリ、マレーシアなど9つの国が加入と加入の意思を示しています。
TPPに加入している国の物を輸入する時に、少なくとも10年間は関税を払わないでいいようにしようという決まりになっています。まさに加入した国どうしは、完全に自由貿易にしようということです。

日本はどうするの?TPPに加入するとしたら…

機械製品(車やテレビなど)の輸出に関しては、TPP加入国どうしの貿易に比べたら競争力が下がる可能性があります。
一方、農業は逆で、食べ物(お米やお肉など)では安い物が輸入されて、国内の農業が大きな打撃を受けるといわれています。国土の広い国と日本の農家との生産力には大きな力に差があります。

※鹿児島県ではTPPに加入した場合、2008年度県内農業生産額(4,151億円)の4割相当。関連産業や地域経済への影響を合わせると推定損失額は5,667億円に上がるとみています。(鹿児島県農政部の試算より)

食は命の基本です

私たちの暮らしに欠かせない食料です。輸入に頼らない農業を守れるかが、避けて通れない問題です。
日本の食べ物の60%は外国からの輸入に頼っています
先進国の多くは、自分の国でたくさんの食料を作っています。穀物(米、麦、とうもろこし等)の自給率はさらに低くて27%となっています。

これからの食料問題と私たち

世界的に増える世界人口では、50年後には現在の1.5倍になると言われています。
また、開発途上国の食生活が変化し、輸出から自国消費への変化も見られます。
その他にも食料の輸入が突然止まる可能性もあります。
これからの食や食料に関する学習会や生産者との交流会などに参加して、私たちの暮らしに欠かせない食料の問題について学び、考える機会を増やしていきましょう。

私たちの基本的な考え方

農業や食糧、地域経済を守り、世界の国々と調和し国民が平等に安心して暮らしていくために、あらためて確認しましょう。

食料自給率の向上

私たち生協コープかごしまは、日本の農業を守り、食料自給率の向上を目指すために、安定した食料自給率政策の確立を一貫して求めてきました。これからもその立場を堅持していきます。

「食料主権」を守る

自国民のための食料生産を最優先し、実効ある輸入規制や価格保障などの食料・農業政策を自主的に決定する食料主権は益々重要です。自国の関税などの維持強化、価格保障などの農業政策を自主的に決定する権利を保障する貿易ルールの確立が国際社会にも求められています。

私たちへの情報提供

TPP参加について政府及び国会内での論議は十分とはいえず、国民への情報提供も不十分で、理解が得られている状況ではありません。参加によって予想される日本農業や農業が持つ多面的な価値、関連産業、地域社会への大きな打撃への施策も見えてこない状況です。国民への十分な情報提供を政府に求めます。

産直商品などの利用へ

私たち生協コープかごしまは、生産者やメーカーの方々との交流や連携をさらに強め、日本の食糧や農業を巡る情勢学習をあらゆる場面で実施していきます。あわせて産直商品や協同組合間提携を中心にした地産地消商品を強化・発展させ、利用を呼びかけていきます。

子どもたちの未来のために

大切な食料をこれ以上外国に委ねることは、日本人としての主体性や子どもたちの豊かな未来を奪うことにつながるものです。日本の農業や食料の国内自給率の大きな後退につながるような貿易協定には反対します。

2010年12月に要望書を提出しました

日本政府に対して、以下の内容の要望書を昨年12月に内閣総理大臣宛に送付しました。

一.日本の農業を支援し発展させるための政策を明確にすること。
一.国民への十分な情報提供を行なうこと。

これからの食や食料に関する学習会や生産者との交流会などに参加して、私たちの暮らしに欠かせない食料の問題について、組合員みんなで学び、考える機会を増やしていきましょう。

遺伝子組換え作物・食品

特定の除草剤で枯れない大豆となたね。そして、特定の害虫が食べると死んでしまうトウモロコシとジャガイモ。バイオテクノロジー技術を応用して開発された遺伝子組換え農産物が日本に上陸を開始しました。しかしまったく新しい技術だけに、その安全性はまだ十分に確かめられておらず不安があります。

食糧の大部分を輸入に頼っている日本では、外国から入ってくる「遺伝子組換え作物」を完全に避けることはとても困難なことです。しかし、生協コープかごしまでは生産農家や他生協と協力しながら、国産の原料を使った商品や産地・品種がはっきりとした外国産原料を使い、「遺伝子組換え作物」を使わないですむ商品の取り扱いをすすめています。
遺伝子組換え食品の表示に関する法律もできましたが、私たち生協コープかごしまでは消費者の知る権利、選ぶ権利を実現するために、さらにわかりやすい表示をすすめています。
 

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