防衛装備移転三原則撤回に関する理事会声明を内閣総理大臣あてに送付し、組合員へ平和の取り組みへの参加を呼びかけました
内閣総理大臣 岸田 文雄 殿
私たちは戦争の無い安心して暮らせる社会の実現を願い、「防衛装備移転三原則」の撤回を要望します。
私たち生活協同組合コープかごしま（以下コープかごしま）は、設立以来50年以上にわたり「平和なくして、くらしを守れない」という思いと、二度と戦争を繰り返さないという組合員の願いとともに「よりよき生活と平和のために」をスローガンとして掲げ、組合員とともに平和について学習し、地域にひろげる活動を続けてきました。今回の「防衛装備移転三原則」の「運用指針」の改定は、戦争放棄や平和主義を唱える憲法9条や国際平和を唱える日本国憲法の理念に反すると考え、撤回を要望します。
日本政府は2024年3月26日に、イギリス、イタリアと共同開発する次期戦闘機について日本から第三国への輸出を許可する方針を閣議決定しました。また、同日、国家安全保障会議では、「防衛装備移転三原則」の「運用指針」を改定しました。
第一に、憲法の掲げる平和国家の理念との関係で、大きな問題があります。武器輸出の事実上の容認であること、輸出された武器は人を傷つけ、殺傷することに使用される恐れがあること、今後外国から武器供与を求められた際、どのような基準で輸出するのかが一切明らかになっていないことなどは極めて問題です。
第二に、これらの方針・指針の変更は、閣議で決定されたのみで国会での議論が一切なされていません。
平和憲法を掲げる平和国家としての日本の立場から、国際紛争から経済的利益を受けるべきではない、軍需に関する経済活動によって国際紛争を助長するべきではないという立場こそ、東西冷戦下での日本が見出した、あるべき憲法政治の在り方でした。東西冷戦をほうふつとさせる現況の中で、平和国家の理念を尊重すべき日本政治が、またしても、なし崩し的に、一層、憲法理念から遠ざかっていく状況に、私たちは深刻な危機感を感じています。
以上の私たちの主張より、下記について要望します。
1.「防衛装備移転三原則」について撤回し、
原則として武器および武器製造技術、
武器への転用可能な物品の輸出が
禁じられていた「武器輸出三原則」の
立場に戻ること
2.「次期戦闘機の第三国への輸出閣議決定」
そのものを撤回すること
2024年5月23日
生活協同組合コープかごしま
第27期第34回理事会
以下は組合員のみなさまへ理事会からの呼びかけです。
組合員のみなさんへ
戦争のない安心してくらせる社会の実現を願い、「防衛装備移転三原則」について一緒に考え、学習しましょう。
私たち生協コープかごしまは、「平和なくして、くらしを守れない」という思いと、二度と戦争を繰り返さないという組合員の願いとともに、スローガンとして「よりよき生活と平和のために」を掲げ、平和について学習し、地域にひろげる活動を続けてきました。
日本政府は2024年3月26日に、イギリス、イタリアと共同開発する次期戦闘機について日本から第三国への輸出を許可する方針を閣議決定し、国家安全保障会議では、「防衛装備移転三原則」の「運用指針」を改定しました。
これらの方針・指針は、閣議決定のみで国会議論が一切なされていない点で、明らかに民主主義の社会において尊重されるべき点が軽視されています。
平和国家の理念が、先々、政府により一方的・なし崩し的に変質させられてしまう恐れがあります。今回だけのことと、決して軽く見ることはできません。政府の恣意的な権力行使をルールで縛ろうという、「立憲主義」の観点からも、無視できない危険性があります。
いずれにせよ、日本が作った兵器で戦争が行われ、人を殺傷することを絶対に許してはなりません。以上のことから
1.「防衛装備移転三原則」について撤回し、
原則として武器および武器製造技術、
武器への転用可能な物品の輸出が
禁じられていた「武器輸出三原則」の
立場に戻ること
2.「次期戦闘機の第三国への輸出閣議決定」
そのものを撤回すること
についてを理事会声明として岸田文雄内閣総理大臣宛で届けます。
また、組合員のみなさんへ、戦争のない安心して暮らせる社会の実現を願い、一緒に考え、学習することを呼びかけます。
・6月17日(月) 川商ホールで開催する「6.17平和のつどい」に参加しましょう。
・2025年に戦後80年を迎えることより、これから組合員と職員が一緒に取り組む平和の取り組みに参加しましょう。
2024年5月23日
生活協同組合コープかごしま
第27期第34回理事会